荻原製茶の歴史

当園の歴史は、明治18年(1885年)初代 荻原六平が当地にて創業したことから始まります。
現在の母屋の西側に「茶部屋」を建て、手もみ製茶用の土木製焙炉(ホイロ)を数基築炉し、茶師による製造をはじめたのが最初であると伝わっています。
その後、母屋東側に機械製造のための工場を創設し、手廻しによる製茶機械にて製造を始めました。

ちなみに当地では明治末頃に攪拌式蒸機の原型たる丸田式蒸機が登場し、特許も数多く取得し、各種製茶機械発達史の中でも特筆すべき地域であり、同時に機械化と製茶技術のもっとも進んだ先進的な地域のひとつでありました。

機械技術の発達とともに動力式製茶機械へ順次移行し(発電機→電気モーター)、熱源も薪炭から石炭、現在の重油・ガスへと転換していきました。

その中で二代目 荻原 甚太郎は茶用の燃料の安定供給を目途として、静岡・掛川に「茶業資材販売株式会社」を設立し初代社長となりました。また、甚太郎は戦後の茶況の大混乱(「駿府茶騒動」)の中、取引の安定と明朗化を目指して生産者の立場に立った「静岡茶市場」の創設にも尽力しました。三代目 荻原 静夫もその業を継続し、”やぶきたの父”杉山彦三郎賞を受賞しています。

これらの歴史を経て、現在当主・四代目 荻原 克夫は、次世代に向けた茶栽培・製造の方向として、おいしいお茶づくりはもちろん、さらに「安心・安全な茶の製造」と「環境に配慮した農業」をその基本理念として活動しています。

平成8年 減農薬栽培の認定
平成15年 茶・みかんのエコファーマー認定
平成19年 農林水産省「農地・水・環境保全向上対策事業」参加

他に県内唯一、茶での「営農活動」への参加により「特別栽培農産物基準」への取り組みを開始し、I.P.Mの実践農業をしています。

平成14年には夫婦そろって日本茶インストラクターの資格を取得しました。また日本茶アドバイザー2名も在籍しています。
これら茶のプロによる小学校等での「茶の淹れ方教室」や、各地での試飲会を通して茶文化の展開を企画しています。

また「静岡県農業経営士」「静岡県ときめき女性」として認定を受け、静岡県立農林大学校からの研修生の受け入れ等を通して後継者の育成と地域農業の発展にも尽力しています。